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通信制高校の功罪
通信制高校が不登校生の学校に通いたいという思いを満たしてくれるようになって、ずいぶんと時間が経ちました。
最近は、通信制高校に「週5日コース」というのがあり、ほぼ全日制高校とかわらないだけの日数・時間数を通うコースもあり、結構な人気になっています。
なんにせよ、通信制高校のおかげで多くの子ども達が「学校に通うこと」ができるようになり、自信もつき、社会に出て行くことができて、本当に良かったと思っています。
私のところでは、今も通信制高校に通ってもらいながら、卒業後の進路を一緒に考え、社会に送り出すことを続けています。学校に通えなかった子ども達が、通信制高校に通い、友達ができ、そして、自分なりの進路を見つけて社会に出て行く姿を見ていると、本当に通信制高校という仕組みがあって、よかったと思います。
しかし、そうでないこともどうやら多々あるようなのです。
少しここで考えてみたいことがあります。
それは「出口」の問題です。
不登校生や学校に通いにくい生徒の進学先として、通信制高校は確実に受け皿になってくれています。
しかし、子ども達も保護者の方も卒業時点での進路をどのくらい意識して入学しているのだろうかということが、疑問として残るのです。
さまざまな理由で小中学校に通えなかった子ども達にしてみれば、学校に通うだけでも精一杯なのですから、そんなことを考える前に、まずは通うことに慣れることだけでもできるようになればいい、ということもあるでしょう。
それは、私も通信制高校に在籍している生徒を今もお預かりしているので、十二分に承知しています。
ですから、それを承知の上で、それでも通信制高校の卒業ということを考えてみたいのです。
通信制高校全体の卒業者の進路の40%近く(平成27年度)が大学にも専門学校にも行かず、就職もしていません。通信制高校では卒業生の5人に2人は進路がはっきりしていないことになります。
これを聞いて、どう思いますか?
全日制高校の卒業生全体では大学・専門学校にも行かず、就職もしていない生徒は4.4%ですから、一桁も違います。このことは学校選択の時には、ほとんど考慮されていないことなのです。
このことをこれから少し考えていきたいと思います。
また次回、続きをお話したいと思います。
長くなりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。